縁取りで文字を目立たせるコツとは?色の組み合わせ例もご紹介

文字の縁取りは袋文字とも呼ばれ、文字の周囲に線を追加することを指します。縁取りは視認性やデザイン性を向上させる際に効果的な手法です。
しかし、文字が際立ち、読みやすい状態にするには単に目立つ色を選ぶだけでは足りません。色の組み合わせに配慮し、適切な色を選ぶ必要があります。
この記事では、文字を縁取る効果や色の組み合わせ、デザイン作成のポイントについて解説します。販促で使うグッズ、のぼり旗、看板などを制作する際の参考にしてください。
目次
文字の縁取りで得られる効果とは
縁取り文字はうちわやチラシなどでもよく使用され、特に目立たせたいメッセージや案内に効果的です。以下に文字の縁取りによる効果について解説します。
文字が見やすくなる

文字が見やすい状態を「視認性が高い」と表現します。視認性とは、文字やデザインが目に留まりやすく、情報が瞬時に伝わる特性を指します。
視認性を高めたい場合は、文字に縁取りを加えると効果的です。縁取り文字は案内板や商品名など、瞬時に情報を伝えたい場面でよく活用されています。たとえば、白い文字に黒や緑の縁取り、黄色の文字に黒の縁取りなどが一般的です。
文字に縁をつけると背景との区別が明確になり、遠くからでもはっきりと見えるようになります。特に、文字色と背景色が類似する場合、縁取りにより文字の輪郭が際立ち、視認性がさらに向上します。
目を引きやすくなる

文字に縁取りを加えると遠くからでも見えるようになるため、「誘目性」を高めるうえでも効果を発揮します。
誘目性は特に意識しない状態でも目に入るといった性質です。色の種類や明るさ、彩度の高さによって左右され、色のついたものはモノクロよりも視線を引きやすく、白は黒よりも目立ちやすい傾向があります。高彩度の色を使用することで視線を自然に引きつけ、案内や注意を促すデザインに効果的です。
特に高彩度で暖色系の色、たとえば赤や黄色は誘目性が高く、信号や標識など注意を喚起したい場面でよく用いられます。こうした色は視覚的に近く感じる「進出色」としても知られており、目立ちやすさを強調する効果として参考にしてください。
文字が読みやすくなる

文字の読みやすさ、つまり「可読性」とは瞬時に内容が読み取れる度合いを指します。可読性はのぼり旗や看板など、視認性が重視されるデザインにおいて重要な要素です。可読性を高めるには文字が単に目立つだけでなく、一瞬で読み取れるように工夫することが必要です。その際に、縁取りを適切に施すことで可読性が向上する場合があります。
たとえば、黒の背景と白文字の組み合わせはそれだけでも引き立ちますが、オレンジの縁取りを加えることで文字がしっかり浮かび上がり、遠くからでも読み取りやすくなります。
一方で、青とオレンジといった組み合わせのように、目立ちやすいもののコントラストが十分でない場合は文字が読みにくくなるかもしれません。この場合、白の縁取りを加えることで文字がより際立ち、可読性がさらに高まります。
デザインのアクセントになる

文字の縁取りはデザインにアクセントを加え、印象を変えます。たとえば、コンサートうちわやチラシでは二重縁取りがよく使われ、縁取りの色や太さを調整することで強調する効果が高まります。
また、文字の意味や場の雰囲気を反映させた色の組み合わせや、フォントを考慮することも重要なポイントです。たとえば辛いイメージを強調したい場合は、シャープな形状の白縁を加えたり、配色やフォントを調整したりすると視認性や誘目性が高まります。販促効果が向上し、販促グッズのデザインやロゴに洗練された印象を与えると予想されます。
文字を縁取りで目立たせるコツ
色の組み合わせが適切でない場合は文字が背景に溶け込んでしまい、目立ちにくくなるかもしれません。メッセージを強調するためには縁取りを使うことで、文字がしっかりと際立ちます。
ここでは、縁取りを用いる際に役立つ明度差と補色の使用について、具体的なコツを紹介します。
明度に差をつける

デザインにおいて明度差をつけると視認性が上がり、文字が際立ちます。明度とは色の明るさや暗さを示す度合いです。隣り合う色同士に明度差をつけることでメリハリのある見やすいデザインが作れます。
たとえば、背景が明るい色なら文字を暗めの色にし、背景が暗い場合には文字を明るい色にすると自然にコントラストが生まれ、文字がはっきりと目に入りやすくなります。縁取りを入れる場合は、背景色と縁取り色の明度も被らないようにすることがポイントです。
同系色を使用したい場合でも明度差を考慮しましょう。ブルー系の配色であっても、背景に淡い水色、文字に濃い紺色を使うと、配色にまとまりを持たせながら視認性も確保できます。少しインパクトを求めたい場合は、黄色の縁取りを加えることで文字が見やすくなります。
特にポスターや看板など遠くからも目立たせたいデザインには明度の差が効果的です。明度差を活かした配色例も画像で確認しながら、明度の選び方を参考にしてみてください。
反対色や補色を使う

デザインで文字を目立たせるには反対色や補色(色相環で反対側の色)を活用する方法が効果的です。一方、類似色を使用すると統一感が生まれますが、視認性が低下し、ぼやけて見えることがあります。

ただし、反対色や補色は目を引く効果が高い反面、明度が近く彩度が高いと「目がチカチカする現象」を引き起こすかもしれません。この現象はハレーションといわれ、デザインや文字がかえって見づらくなる場合があります。ハレーションを防ぐためには、色の間に他の色を挟む方法が有効です。
別の色を挟む際は、視覚的に対立しない明るさや彩度の異なる色を選びましょう。また、白縁(セパレーションカラー)を使用することで視認性がさらに向上します。
文字と縁取りの目立つ配色例

白い背景には、濃い色で縁取りすると効果が高まります。背景が白なので、文字の縁を白で囲むことはできませんが、文字と縁取りの間に白縁を入れて二重縁取りを採用するのも一つの方法です。

黒い背景には明度が高い白や黄色の縁取りが適しています。特に蛍光色を使うと、さらに目立つ効果が期待できるかもしれません。
また、別色の縁取りを二重に施す方法も推奨されます。たとえば、黒背景に水色文字の場合は、文字に白縁、さらに赤い縁取りを加えて二重に縁取ってみましょう。文字が黒背景に強く映え、しっかり際立ちます。
まとめ
文字を縁取るのは視認性、誘目性、可読性を大幅に向上させ、デザイン全体を引き締める効果があります。その効果を最大限に発揮するには、背景に合わせた適切な縁取りの色を選ぶことが重要です。また、二重縁取りや明度差、補色を取り入れることで文字をさらに際立たせ、伝えたいメッセージをより効果的に伝えられます。
さらに、デザインの意図に合わせて、色の選び方や文字のスタイル、縁取りの形状をも考慮します。この記事で紹介したポイントに配慮して縁取りの効果を活用し、見る人の記憶に残るデザインを実現しましょう。